40歳過ぎたころから 私は 黒をあまり着なくなった。
20・30代の頃 さんざんきて 飽きた、という理由もあるし
何より 黒を着ると恐ろしく
自分が 老けて疲れて見えるようになったからである。
「黒は女を美しくみせるのよ」
と ジブリの映画「魔女の宅急便」で 小さな魔女、キキが言われるシーンがあるが、
その時、本当にそうだそうだと 思った私は
まだ 20代だったような気がする。。。
とりあえず 黒を着ていれば無難、黒を着ていればオシャレに見える、
そんな法則のもと、安心して黒を着ていたように思う。
黒は痩せて見えるし、汚れも気にならないし、色の組み合わせも気にしなくてよい、
安物の粗悪な服でも なんとかそれなりに見える。
本当に便利で 合理的な色である。と思っていた。
私の人生で 出会った 黒しか着ない女は 二人いた。
「黒を着ていればママ友から悪口言われないから。。。」
というものすごい消去法で 黒しか着ないといっていた友人がいた。
彼女は どういうコミュニティで生きているのか?と心配になったが
意地の悪いママ友集団の中に 身を置き、
お受験戦争真っただ中にいたときの 彼女のセリフであった。
もう一人、
プラダの黒しか着ない、
という美しい女性に仕事の関係で会った。
半年ほどだけ 一緒に仕事したのだが、
その間 本当にプラダの(たぶん)黒しか着ていなかった。
靴もカバンもワンピースも見事に黒のプラダだった。
(一度だけ、ブルーデニムの姿を見たがそれでもTOPSは黒だった。)
合計10回ほど会ったのだが、いつもほぼ同じ服を着ていた。制服のように。
けれど彼女は 真っ白な肌と大きな瞳、
お人形のように美しい女性だったので、
それが彼女の美貌を引き立てていて、似合っていた。
とっかえひっかえ 柄物やカラフルな服を
じゃらじゃらアクセサリーで着まわす自分が
なんだか惨めに思えたものだ。
今、私は黒を着るときとても逆に緊張する。
素材が安物だと 間違いなく 顔色が悪く見え 5歳は老けて見えるからだ。
上質なシルクやカシミアであっても 髪の衰えや肌のくすみを より強調してしまう。
だから 本物のダイヤなど、きちんとしたジュエリーをつけ、
髪も念入りに ブローしたり 丁寧にメイクしたりして
気合をいれて 身支度できる日にしか 黒い服は着ないようにしている。
黒のタートルネックセーターなんざ
きりっとしたあごと 美しい肌と髪があってこそ似合う服であり、
頬が下がり、輪郭がぼんやりしている中年女には危険なアイテムなのである。
よって 先日写真に載せた通り、私のクローゼットは意外とカラフルである。
それでも年とっても いざとなれば
黒をちゃんと美しく着れる女になれるよう 日々精進するつもりだ。
・・・今日は真面目にまとまった・・・(笑)